「どうぞ、ご勝手に」と言える勇気
セクシーなマルチタレントとして有名な壇蜜さん。
そんな彼女が記す、壇蜜日記という日記調のエッセイを初めて読みました。
わたしは壇蜜さんの映像作品やバラエティ番組に出られている姿というのは、今まで見たことがありませんでした。
壇蜜さんを知ったきっかけは「アラサーちゃん」という漫画の実写化で、ドラマの主演をされていたときのこと。
まさに「男の憧れ」とも言えるほどの美貌とボディ。
「こんな大人の女性になりたい」
なんて言ったらおこがましいかもしれませんが、そのときからわたしの理想の女性像は壇蜜さんでした。
といってもそのドラマが終わってから、なかなかマスメディアでお見掛けすることが少なく、今は何をされているのだろうと思っていました。
そんなとき、図書館でこの「壇蜜日記」というシリーズ本を見つけます。
「壇蜜さんは本を書かれていたんだ・・・!」
と、興奮しながら駆け足で貸し出し処理を行い、家に帰る電車の中ですぐさま読み進めました。
これがとにかくおもしろい。
以前から聡明な方だと思っていたのですが、皮肉や自虐も混じったスパイスの効いた文章センスがかなり魅力的です。
とくにわたしがクスッとなったのがこちらの表現
中高生や20歳そこそこの女子の間で、制服ファッションなるものがはやっているらしい。卒業してもネズミの大将の独裁国で制服を着て練り歩いたり、在学生は休日も制服をきて出かけるらしい。
p32
また、一見浮世離れされているような印象を受ける壇蜜さんですが、
とにかくカップラーメンを食べる描写が多くてびっくりしました。
なんとなくフォアグラやトリュフなどを召し上がっているイメージでしたので・・・
この衝撃は、お目々パッチリのかわいい女の子がピッチピチのミニスカを履いたまま豪快に自転車をこいでいる光景を目撃するのと同じくらいの驚きと興奮でした・・・
一日300字くらいの文章量で、ときには一行のみという日もある日記。
「俺、お前のこと甘やかしすぎたんだよ」・・・は、自覚できる位甘やかしてから言ってくれ。
p104
そこから壇蜜さんの、定型に縛られない良さが感じられます。
日々の気づきが、また独特です。
かと思えばアラサー女性の声を代弁していただいているような気さえしてます。
大概ショックなことがあると食事をしなくなり涙もろくなりよく眠る・・・33年間付き合って来た傾向だ。誰かのせいにするのは卑怯なので、自分を傷つける。自傷は勇気が出ないので、生活に必要な行為をしたりしなかったりすることで中途半端に傷つけるのだ。
p177
日々を生きることに精いっぱいな今の自分。
壇蜜日記を読んだら、少し、元気が湧いてきました。
もうちょっと「女性として生きること」をがんばってみよう。
来年のカレンダーは壇蜜さんにしようかな。